診療案内
泌尿器科
こんな症状はありませんか?
- ・尿量が多い
- ・尿に血が混じった
- ・尿の色がいつもと違う
- ・トイレに頻繁に入る
- ・トイレに入ったがおしっこが出ていないようだ
- ・飲水量が増えた
主な腎臓の病気
急性腎障害
急性腎障害とは数時間~数日の間に急速に腎機能が低下する状態です。尿から老廃物を排泄できなくなり、さらに体内の水分量や塩分などを調整することができなくなります。原因精査と蒼龍な治療が必要な重篤な疾患です。
尿管閉塞
尿管に結石やデブリ(老廃物など)が詰まり、尿を膀胱に送り出すことができない状態です。外科手術が必要な事が多い病態です。
尿管が閉塞しています
閉塞を解除しました
尿道閉塞
尿道に結石がつまったり、膀胱や尿道に腫瘍が出来ることで尿が排泄できない状態です。
ペニスに4つ結石が詰まっています
中毒
ブドウ、レーズン:生のぶどうも干しぶどうも犬にとっては危険です。ワインも与えてはいけません。
ユリ科の植物:花だけではなく、花粉・茎・葉・根・花瓶の水も注意が必要です。チューリップやスズラン、スイセンなどもユリ科の植物に含まれます。
慢性腎臓病
慢性腎臓病は様々な要因によって腎臓が徐々に機能を落としていく疾患です。
病気の進行は炎症、感染、虚血、デブリ、高血圧、たんぱく尿などですがその原因の解明は難しく病理学的には間質性腎炎と言う状態に陥ります。
腎臓は治療をして元の状態に戻すことは難しく、進行を緩徐にし、症状を是正することが目的になります。
腎臓腫瘍
腎臓に発生する腫瘍は、犬では腎細胞癌、猫ではリンパ腫、腎細胞癌が主なものです。
腫瘍自体の状態、全身への広がり(転移の有無)をもとに治療を検討します。
IRISという国際団体がステージングの基準値を設定しています。
Staging2019 | Stage1 | Stage2 | Stage3 | Stage4 | |
---|---|---|---|---|---|
CRE | Dog | <1.4 | 1.4~2.8 | 2.9~5.0 | >5.0 |
CRE | Cat | <1.6 | 1.6~2.8 | 2.9~5.0 | >5.0 |
SDMA | Dog | <18 | 18~35 | 36~54 | >54 |
SDMA | Cat | <18 | 18~25 | 26~38 | >38 |
細分類 | |||||
UPC | Cat | <0.2 | 0.2~0.5 | 0.5以上 | |
Dog | <0.2 | 0.2~0.4 | 0.4以上 | ||
血圧 | 140 | 140~159 | 160~179 | >180 |
主な膀胱の病気
膀胱炎
膀胱に何らかの炎症が起こり、頻尿や血尿を起こす病態です。残尿感があるので尿しぶりをおこしたり、尿管から腎臓に感染をお越し腎盂腎炎を起こすこともあります。また、結石性の膀胱炎では命に関わる尿路閉塞を起こすことがあります。
膀胱炎の原因は下記のものがあります。
細菌性膀胱炎
犬の膀胱炎の主な原因です。肛門や消化管にいる大腸菌や皮膚に常在するブドウ球菌が同定されることが多く、その中のウレアーゼ産生を行う細菌は膀胱結石の形成を起こします。
特発性膀胱炎
猫の膀胱炎の主な原因です。特発性とは尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを行っても感染や結石等の明確な原因が見つからない状態のことを指します。近くで工事があった、台風で風の音が酷かった、家族が不在だった、来客があったといった環境の変化で猫は膀胱炎を起こします。
結石(結晶)性膀胱炎
膀胱内に結石(結晶)が産生され、膀胱に傷がつくと膀胱炎が起こります。
尿のpHや感染など様々な要因が産生に関わります。主にストルバイト結石(尿酸アンモニウムマグネシウム結石)、シュウ酸カルシウム結石があります。結石産生する場合は、食事の変更が必要になることが多いです。
膀胱に大きい結石があります
尿路閉塞
膀胱から尿道のどこかが結石や老廃物によって詰まってしまう状態で膀胱破裂や急性の腎障害を起こす緊急疾患です。主に尿道が長く、細い雄に多い病態ですがメスに発生することもあります。
膀胱腫瘍
腎臓に発生する腫瘍は、犬では移行上皮癌、猫の膀胱腫瘍はまれですが移行上皮癌があります。移行上皮乳頭腫、過形成などの良性病変も存在します。移行上皮癌は局所の浸潤性が高く、転移率も高いため、手術適用外な場合も多いですが内科治療も一定の反応を示す悪性腫瘍です。
腫瘍自体の状態(膀胱内の腫瘍がある位置、浸潤度)、全身への広がり(転移の有無)をもとに治療を検討します。